クリニック内覧会は絶対に行うべきか?
いざ開院という段になると、正式な開院日の前に「内覧会」を行うクリニックが増えています。自院の広告宣伝という意味では絶対に行った方がいいのですが、一方で「別に行わなくてもいい」という声もあります。今回は「内覧会」を行う意義についてご紹介します。
「内覧会」とは? なんのために行うのか?
開院前の「内覧会」は、地域の人たちに新設されるクリニックを見てもらうために行います。スタッフと医師・クリニック院長がそろって地域の皆さんにあいさつし、自分たちについて知ってもらうようにする見学会だといってもいいでしょう。
内覧会には新クリニックのスタッフだけではなく、例えば恩師や友人、開院を手伝ってくれた人などにも参加してもらい、クリニックを見てもらうといいですね。
ただし、あくまでも主目的は地域へのお披露目です。内覧会を開催することのメリットは以下のようになります。
- 開院を認知させることができる
- 潜在的な患者さんに自院をアピールできる
- 地域の人とコミュニケーションが取れる
- 地域の人にスタッフを紹介できる
- 集患のプロモーションになる
内覧会では、クリニック内を見せ、訪れてくれた人と積極的にコミュニケーションを取ります。来てくれた人はクリニックに興味がある人たちです。つまりは、潜在的な患者さんです。医師・クリニック院長の人柄や診療方針などを話すことができれば、新しいクリニックに来ようという気持ちになるでしょう。
また、新クリニックのスタッフには「率先して訪問者に話しかける」ように指示しておきます。受付業務を担当するスタッフなら、いわばクリニックの顔になるわけですからなおさらです。
内覧会では、医師・クリニック院長やスタッフが明るく、楽しく訪問者と接することこそが最重要ポイントだといえます。内覧会でのアピールが集患に影響を与えるのです。
内覧会の準備とは?
内覧会の実施前には、訪問者をできるだけ増やすためにも宣伝を行う必要があります。自院のホームページで告知を行うのはもちろんですが、チラシ、新聞広告なども考えましょう。また、案内状を作成し、近隣の店舗、住居に直接ご挨拶に回るのも効果的です。近隣の皆さんに内覧会が行われるのをあらかじめ知っておいてもらった方がいいからです。
内覧会に来てくれた人に配布するノベルティーグッズも用意しておく方がいいでしょう。訪問者に喜んでもらえるのはもちろんですが、自身にとっても開院の記念になります(開院の年月日も忘れないで入れましょう)。
ノベルティーグッズはクリニックのネーム入りの実用的なものがお薦めです。よくあるのはボールペンやタオルなどですが、診療科目ごとの特徴が出たものもいいでしょう。例えば小児科であれば、子供が喜びそうなものを考えます。眼科ならルーペなどはどうでしょうか。歯科であれば歯磨きができる携帯エチケットセット、女性向けのコンパクトミラーなどもお薦めのノベルティーグッズです。
これらノベルティーグッズは業者が知恵を絞っていろいろ考えていますから、ネットで探してみると自院に合ったものが見つかるでしょう。価格はロット(製作数)によりますが、100円台からあります。
ちなみに、『ほしい!ノベルティ』というサイトでは「オープン記念・医院内覧会ノベルティ ランキング」で人気のあるノベルティグッズの順位を公開しており、ベスト3は以下のようになっています(2021年2月11日現在)。
1位 | コットンバッグ(M) | 89円[税別] |
2位 | グラスタンブラー(360ml) | 224円[税別] |
3位 | キャンバストート(SS) | 144円[税別] |
価格を見ていただければ分かるとおり、そんなに高くありません。
参照・引用元:『ほしい!ノベルティ』「オープン記念・医院内覧会ノベルティ ランキング」
「内覧会」でのNG
内覧会でのNGは、医師・クリニック院長やスタッフが訪問者とコミュニケーションを取らないことです。また、内覧会では恩師、友人、開院を助けてくれた人、業者・関係者も招くことが多いですが、それらの人たちとばかり話すのもNGです。
内覧会の目的は、関係者の慰労ではありません。
上記のとおり、地域の人、潜在的な患者さんへのアピールであり、集患につなげることです。ホストやスタッフが内向きの態度では、せっかく来てくれた外部の人が鼻白んでしまうでしょう。医師・クリニック院長、スタッフは外に開かれた姿勢でなければなりません。
もし、恩師、友人、開院を助けてくれた人、業者・関係者の慰労を行いたいのであれば、内覧会とは別の機会、「慰労会」「感謝会」などを設けるのがいいでしょう。
まとめ
内覧会についてご紹介しました。上記のとおり、その目的を果たすものになるのであれば、これは絶対に行うべきです。開院するクリニックのプロモーションの一環ですし、その地域に住む潜在的な患者さんへのアピールになります。
しかし、せっかく実施してもそれが内輪だけの記念イベントになってしまうのであれば「別に行わなくてもいい」でしょう。内覧会が目的を達成できるものになるのかどうかを考えた上で、開催するかどうかを決定してください。