クリニックの経営課題をクリアするコツは?
クリニックを開業した直後は、患者の診察と並行してスタッフの教育もおこなっていかなくてはならないことから、経営課題についてゆっくり考える時間は持ちづらいかもしれません。しかし、長期的に安定した経営をおこなっていくためには、自院の経営課題に目を向け、一つひとつクリアしていくことが大切です。そこで今回は、クリニックの経営課題について考察していきましょう。
クリニックに求められることは?
経営課題は、それぞれのクリニックごとに固有のものがあります。たとえば、現状赤字であるなら、まずはそこから脱することがひとつの課題ですし、目指す医療があるなら、そこに向かうために何をしていけばいいかを考えることが大切です。
それとは別に、どんなクリニックにも共通して求められることもあります。
1. 地域との連携
昨今の診療報酬改定によって、地域包括システムに関連する病診連携や介護施設との連携、かかりつけ医機能、入退院支援、医療支援の強化などが高く評価されるようになりました。これにともない、医療従事者の働き方改革も推進されています。こうした状況下においては特に、地域の医療・介護・行政との連携を踏まえたうえで、自院に求められる役割を考えて、診療体制を整えていくことが大切です。
2. 働きやすい環境づくり
地域と密に連携していくためには、スタッフ同士の協力は欠かせません。看護師や受付スタッフなど、クリニックで働いているすべてのスタッフ、情報やビジョンを共有することが大切です。もちろん、ビジョンを共有して、それを一緒に達成しようと思ってもらうためには、職場の雰囲気がよくなければいけません。風通しのよい環境づくりを心がけ、日ごろからスタッフとのコミュニケーションも大事にしていきましょう。
3. 情報発信
ホームページやSNSを駆使して、最新情報を逐一発信するクリニックは増えています。「うちのクリニックは高齢者が中心だから必要ない」と思っている人もいるかもしれませんが、患者自身が高齢者でネットサーフィンなどはおこなわない場合でも、その家族はスマホなどを使って情報を確認しています。家族が安心して通えるクリニックなのか、口コミはどうなのか、などをチェックする人も増えているので、クリニックから有益な情報を発信するに越したことはありません。また、昨年から続く外出制限によって、通院を控える患者が増えていることを鑑みても、院内での情報発信にとどまるのではなく、患者がどこにいても最新情報を確認できるような態勢を整えてあげることが重要だとわかるでしょう。
まずは、これらすべてをクリアするためにはどうすればいいかを考えたら、必然的に、自院に足りないものが見えてくるでしょう。
経営課題クリアに役立ち情報管理術とは?
自院に足りないものが見えたら、早速改善に向けて動き始めることが大切です。また、それと併せて、この機会に覚えておいてほしいのが、確かなクリニック経営に役立つ情報管理術です。
経営を効率化させて情報を管理することは、確実にサービスの向上につながります。たとえば、電子カルテやレセプトコンピューターの導入もそのひとつ。地域のクリニックとして住民の健康な暮らしに貢献していくためには、近隣の大病院などとの連携が不可欠ですが、電子カルテで患者の情報を共有できれば、紹介も迅速になります。
また、昨今は、一人ひとりの健康情報を一元管理して活用すべく、医療情報のネットワーク化であるEHR(Electric Health Record)や、消費者がインターネットを通じて生涯にわたって健康・医療情報を管理できる仕組みであるPHR(Personal Health Recordといった仕組みの実現に向けた動きも進んでいます。
地域に貢献できるクリニックになるためにも、ITへの対応力を高めておくのが◎!
こうした動きを把握しておき、世の中のニーズに対応していくためには、ITへの対応力を高めておくことが役立つことは間違いありません。患者から求められるクリニックであり続けるためにも、まずはSEO対策や、患者にとって利用しやすいシステムの構築からスタートするのも一手。何から手をつけたらいいかわからないという人は、クリニック開業ナビにお気軽にお問い合わせくださいね。