【2022年度・令和4年度】クリニックで活用できる補助金は?
クリニックの運営には多額の資金が必要です。開業時だけでなく開業後も同じこと。コロナ流行などの不測の事態において人件費を捻出できなくなることもありえますし、新たな設備やサービスを導入しようと思ったら手元の資金では十分ではない場合があるでしょう。そこで今回は、クリニックで活用できる補助金をご紹介します。
事業復活支援金
コロナの影響によって、2021年11月~2022年3月のいずれかの月の売上高が、2018~2019年または2019~2020年または2020~2021年における同月と比べて30%以上落ち込んだ事業者に支給される補助金です。中堅・中小・初期募事業者、フリーランスを含む個人事業主が対象となっているので、個人事業主の開業医はもちろん、医療法人でも利用可能です。
支援金の上限は、中堅・中小・初期募事業者は最大250万円、個人事業主は最大50万円。「基準月の売上高-対象月~の売上高×5か月分」で算出されます。支援金の上限は売上高の減少率によって異なります。
≪給付上限額≫
売上高減少率 | 個人 | 法人 | ||
年間売上高 1億円以下 | 年間売上高 1億円超~5億円以下 | 年間売上高 5億円超 | ||
50%以上 | 50万円 | 100万円 | 150万円 | 250万円 |
30%以上50%未満 | 30万円 | 60万円 | 90万円 | 150万円 |
申請期間は2022年1月31日から5月31日まで。2022年3月の売上高が確定した時点で申請手続きに着手すれば、もっとも支援金額が大きくなる月を選べるでしょう。
参照:経済産業省 中小法人・個人事業者のための事業復活支援金
事業再構築補助金
事業再構築に取り組む中小企業向けの支援金です。こちらは医療法人であれば利用可能です。対象経費は、建物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費(一部の経費については上限などが設けられています)。クリニックのリニューアルやネットワークシステム構築などにも活用できそうです。
≪補助額・補助率≫
申請累計 | 補助上限額 | 補助率 |
最低賃金枠(最低賃金引き上げの影響によって事業継続が厳しくなっている事業者向けの枠) | 従業員規模によって500万円または1,000万円または1,500万円 | 中小企業=3/4、中堅企業=2/3 |
回復・再生応援枠 中堅2/3 (実況が厳しい事業者や事業再生に取り組む事業者向け) | ||
通常枠(事業再構築に取り組むすべての事業者向け) | 従業員規模によって2,000万円または4,000万円または6,000万円または8,000万円 | |
大規模賃金引上枠(多くの従業員を雇用しながら継続的な賃金引上に取り組むとともに、従業員を増やして生産性を向上させようとしている事業者向け) | 1億円 | 中小企業=2/3、中堅企業=1/2 |
グリーン成長枠(研究開発・技術開発または人材育成をおこないながら、グリーン成長戦略「実行計画」14分野の課題解決に資する取り組みをおこなっている事業者向け) | 中小企業=1億円、中堅企業=1/5億円 | 中小企業=1/2、中堅企業=1/3 |
現在、第5回の公募中で、公募期間は3月24日まで。第6回以降の公募では事業類型や要件が大幅に変更となるため注意が必要です。
サービス等生産性向上IT導入支援事業(IT導入補助金)
業務効率化やDXのために導入する IT ツールなどの費用に充てられる支援金です。2021年度版と変わっているのは、主に以下の点です。
なぜこのような拡充、変更がなされたかというと、2023年10月にインボイス制度が開始予定であるため。企業間取引のデジタル化を推進することを狙いとしています。
IT導入補助金の申請期間は、2022年2月24日時点ではまだ発表されていませんが、2021年度は交付申請が4月7日から始まり、5月14日が1次〆切となっていました。
参照:経済産業省 中小企業庁「サービス等生産性向上IR導入支援事業(IT導入補助金)令和3年度補正予算の概要」
補助金の最新情報はチェックし続けるべし!
クリニックのエリアや規模、事業内容によっては、今回紹介した補助金以外にも活用できる補助金がありえるので、最新情報はチェックし続けるに越したことはありません。SNSなどもうまく活用しながら有益な情報を仕入れて、新しいことに積極的にチャレンジできる体制を整えていきたいですね。
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