電子カルテ導入のメリット

8/30/2021

都市の中核病院では、ほぼすべての病院に電子カルテは導入されています。一方で、特に古くから開業しているクリニックや医院では、いまだ紙カルテを使用している病院も多くあります。

今回は、電子カルテ導入のメリットについて話してみます。

1.スタップの業務コストが改善される

筆者が現在勤務している病院では、電子カルテがまだ導入されていません。しかし、電子カルテを導入している病院で働いた経験もあります。比較検討できたことから、電子カルテの効率のよさがよりよくわかるようになりました。

紙カルテであると、毎回処方をするたびに、その処方にあった病名と登録日を記載しないといけません。筆者は整形外科勤務なので、腰部脊柱管狭窄症や抹消神経障害性疼痛など、漢字がいくつもある病名を書くのはとても大変です。電子カルテであれば、病名のセット登録をしておけば、クリックのみで病名登録ができます。

また、入院となると、外来カルテとは別に入院カルテを作ります。外来カルテにも入院の経緯を記載して、さらに入院カルテにも同じ記載をしないといけません。記載作業だけでも単純に2倍の労力になります。電子カルテであれば、外来カルテと入院カルテが一緒にでも、別でも表出でき、記載自体も1回ですみます。

紙カルテで最も不便を感じるのが、紹介状の作成です。特に、紹介状の宛名書きや、患者さんの住所や誕生日等の記載はミスができないところですが、一番ミスが起こりやすい！　電子カルテであると、基本情報から出力されるので間違う心配はなくなります。

電子カルテの導入で、単純なミスが減ると考えられます。

紙カルテで一番苦労するのは、医者のカルテ記載の読解です。字のきれいな先生もいますが、大体は、よく読めない字でカルテが書かれています。そういった際は、読み取れる単語をつないで、書いてある内容を推測します。

採血や画像のオーダリングシステムも紙カルテであると煩雑になります。当日のオーダーだけならば良いですが、1週間先や1ヶ月先のオーダーを複数出しておくと、用紙を紛失するリスクも高まります。

今後、若いスタッフを雇用していくならば、電子カルテの導入は必須と考えます。

筆者は電子カルテの病院から紙カルテの病院に移ってとても痛感しました。電子カルテであると、診療記事作成、保管、指示の連携とどれをとってもスムーズにおこなえます。この状態に慣れている医者や看護師は、紙カルテの病院に勤務することに抵抗を感じると思います。

個人病院のクリニックとしても、若いスタッフが入ってくる病院は活気があります。新人を雇うより前に電子カルテを導入することで、若いスタッフを入れる準備が整うと思います。