夜勤の体制について

夜勤の体制について

私は総合病院の外科病棟で働く看護師です。病院には、患者さんが入院しており、昼夜問わず、患者さんが救急搬送されたり、救急外来を受診されたりするため、24時間病院は稼働しています。それに伴って、夜勤する医療スタッフが不可欠になります。

今回は、実際に一緒に働く看護スタッフの声をもとに、夜勤の体制について、私の体験を通して以下の5つのポイントに沿って紹介していきます。

  • 看護師の夜勤体制
  • 2交代制のメリットとデメリット
  • 3交代制のメリットとデメリット
  • 夜勤専従
  • 結局どっちがいいのか

今後の病院運営の参考になれば幸いです。

看護師の夜勤体制

看護師の勤務体制には日勤と夜勤があります。また、夜勤は病院によって2交代制と3交代制に分かれています。

私の働く病院は、元々3交代制だったのですが、数年前に2交代制に変更しました。一緒に働くスタッフの中には両方を経験したスタッフも多いため、実際の声をもとに、2交代制と3交代制のメリットやデメリットなどについて説明していきたいと思います。

それぞれに良いところと悪いところがあるため、どちらが自分に合っているのか考えながら病院選びをする際のポイントにもなります。病院を運営する側としても、たくさんの人員を確保したいと思いますので、少しでも病院運営の参考になれば幸いです。

2交代制について

まずは、2交代制について説明していきます。2交代制の病院では、日勤と夜勤の2つに勤務体制が分かれています。病院によって細かな時間は、それぞれ異なりますが、例えば日勤が8時半~17時まで、夜勤が16時半~9時までといった感じで2つの勤務帯に分かれています。

この時点で一目みてわかると思いますが、夜勤帯の勤務時間はかなり長いです。私の病院では、この中に原則1時間半の仮眠時間と夕食や朝食休憩の時間が含まれていますが、夜勤の忙しさによって休める時間は前後することが多いです。

2交代制のメリット

2交代制のメリットとしては、夜勤明けは朝、帰宅してそのまま休みになるため、しっかりと休息を取れる時間があることです。私の病院では、さらに夜勤の翌日も必ず休みになります。そのため、朝帰宅して以降の時間は休みになり、翌日も休みということで、考え方によっては2連休のようなイメージになります。

日勤→夜勤入り→夜勤明け→休み

このような形で必ず、夜勤明けの翌日は休みになります。

日勤→夜勤入り→夜勤明け→休み→休み

シフトによっては、このあとにも休みが続くので、考え方によっては、3連休のようになります。

体力のある看護師だと、夜勤明けにそのまま旅行に出かけることも。旅行の移動時間に睡眠を取り、そのまま翌日も休みのため、勤務によっては、数日旅行を楽しんでリフレッシュできるといった感じです。

2交代制のデメリット

2交代制の最大のデメリットとしては、拘束時間が長いということでしょうか。長時間の勤務になるため、体力が必要になります。休憩時間は設けられていますが、夜勤中に急変があったり急な入院が入ったりすると、仮眠を取れないこともあります。

そのため、体力勝負なところがあり、人によっては、夜勤の長さが体力的にきつく感じる人もいます。また、夜勤は限られた人数でまわすため、相性が合わない人と夜勤になった場合には、長時間気を遣ったりするため、精神的な負担も大きいという声も多く聞かれました。朝方には、疲労と眠気で心身共に疲労はMAXになります。

3交代制について

次に3交代制について説明していきます。3交代制では、日勤、準夜勤、深夜勤の3つに勤務帯が分かれています。こちらも病院によって細かい勤務時間は異なりますが、例えば、準夜帯は16時半~0時半、深夜帯は0時~8時半といった感じです。

一般的に準夜帯の方が忙しくなるケースが多いです。理由としては、準夜帯だと、日中に終わらなかった手術や検査のお迎えでバタバタしたり、術直後は状態が安定しない患者さんもいるため、指示変更があったりすることが多いためです。

3交代制のメリット

2交代制に比べて拘束時間が少ないことが最大のメリットです。拘束時間が短いため、体力に自信がない看護師でも乗り切ることができます。拘束される時間が少ないということで、で、精神的な負担も軽減されます。

2交代制と3交代制の両方を取り入れている病院もありますが、体力のある20代のスタッフは2交代制を希望し、中堅看護師になると、3交代制にシフトを変更するスタッフも多いそうです。

3交代制のデメリット

3交代制のデメリットとしては、丸1日休める休みが少ないことです。シフトによっては、1日に何回も病院に行かなければいけないこともあります。勤務形態が複雑なため、生活リズムを整えることも難しくなったりします。

日勤→深夜勤→準夜勤→休み→日勤

このように日勤で出勤して、夜中にまた病院に行かなければいけなかったりします。夜勤明けの日中も休みの1つとしてカウントされてしまうため、休んだような気がしないのも残念な点です。

また、勤務時間が短いといっても、日によっては忙しくて残業することもあるので、帰宅してから時間を空けずに、再度、出勤しなければいけないこともあるそうです。

シフトを上手に活用しないと家族や友人との時間を合わせることも難しくなります。休みや連休を取りにくいことも大きなデメリットでしょう。

夜勤専従

補足ですが、夜勤専従という勤務体制を取っている病院も多いです。夜勤専従とは、月に数名夜勤のみをする看護師を配置することです。ことば通り、夜勤のみをするので体力的にはきつかったりしますが、その分、勤務日数が少なく、休みが多かったりします。

また、夜勤の方が日勤よりも時給が高くなり、夜勤手当なども付くため、普段の勤務より給料も高くなります。私の病棟でも、夜型で夜勤が好きな看護師の中には、自ら進んで夜勤専従を希望するスタッフもいます。

夜型で夜に働くことが苦ではなく、休みが多くて、給料も高くなるのであれば、確かにメリットは大きいですね。

結局どっちがいいのか

ここまで2交代制と3交代制についてのメリットやデメリットを紹介してきました。ここまで読んだ方は、結局どちらの体制がいいのかという疑問に行き着くと思います。これに関しては、体力面やそれぞれの生活スタイルによって異なるので一概にどちらがいいとも言い切れません。

それぞれに向き、不向きがあると思うので以下にまとめます。

2交代に向いている人

  • 休日や連休が多くほしい人
  • ライフワークバランスを整えやすいのでプライベートを充実させたい人
  • 体力に自信がある人
  • 長時間拘束されることが苦ではない人

3交代に向いている人

  • 長時間勤務の体力に自信がない人
  • 1回の勤務時間が短時間の方がいい人
  • 子どもなどがいて長時間家を空けられない人

それぞれにメリットやデメリットがあるので、自分に合った勤務形態の病院を見つけて働くことが大切であると思います。

まとめ

今回は、看護師の夜勤体制ついて紹介しました。看護師にとってより良い病院とは何なのか以下にまとめます。

  • 自分の生活スタイルに合った働き方ができる病院
  • 残業時間が少なく、十分な休息が取れる病院
  • 福利厚生がきちんと整っている病院

今回の記事が夜勤の体制について考えるきっかけとなり、今後のより良い病院運営に繋がればと思います。

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