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入局しない働き方 メリット・デメリット

入局しない働き方 メリット・デメリット

入局しない働き方-メリット・デメリット

今回は、入局せずに医者を続ける働き方について話します。

医局に入局するとは?

医局の明確な定義はありません。一般的には、医局とは各大学の各科ごとの医者集団のことを示します。どこの大学のどこの科に属するかを決めることを入局すると言います。

研修医2年間の後に入局するか決める

研修医期間の2年間が終了して、自分の専攻科を決めるタイミングで、医局に入局するか決めます。筆者の地域では、8割近い研修医がどこかの医局に入局をします。一方で、2割くらいの研修医は、医局に属さずに働くことを選びます。今回は、そのうち、医局に入局しない医者の働き方についてのメリット、デメリットについてお話しします。

メリット

自分の勤めたい病院で勤務を続けられる

入局しない最大のメリットは、自分で勤務先病院を決められることです。医局に入局すると、人事は医局が決めるため、自分の好きに勤務先病院を決定できません。初期研修医として勤めた病院で後期研修を希望する場合は、医局に所属せずに勤務を継続すると良いです。現在は、後期研修終了後も初期研修医から継続して勤務を続ける医師も珍しくなくなりました。

一方で、医局に所属しても、多くの医局ではそれぞれの医局員に勤務先の希望を聞きます。しかし、医局関連病院の人気病院は応募も多く、なかなか勤務ができないこともあります。勤めたい病院が決まっていれば、医局に所属せずに勤務をすることも良いです。

自分の学習キャリアを組み立てやすい

ずっと同じ病院ではなく、自分で勤務病院を決めて病院を渡り歩いていく道もあります。若手の頃は、有名病院での研修をしたい医師もいます。しかし、医局に所属すると自分の意思通りに研修を受けることは難しいです。

一方で、医局に所属しなければ、勤務先を自由に決定することができます。また、研修や留学といったキャリアアップを考えている場合、そのタイミングも比較的自由に決められます。医局に所属してしまうと、留学したくても、前任者や他の候補者がいれば、タイミングをうまく決められません。自分で将来の医者のキャリアを組み上げたい医師は、医局に所属しない選択もよいと考えられます。

デメリット

専門医資格を取りづらくなる

専門医取得条件については、どの専攻科であっても、医局に所属していないと取得が難しいです。例えば、整形外科の新専門医試験制度では、分野ごとの臨床指導医を取得した整形外科専門医の下で研修をしないと専門医取得ができません。つまり、一つの病院の勤務を続けては、専門医が取りづらいということです。

専門医取得については、どの医局もサポートしてくれます。一方で、医局に所属しない場合は、自分自身でマネージメントする必要があります。専門医取得の要項も、自分で理解する必要があります。

医局の関連病院での勤務が難しいことがある

ある程度の規模の病院は、医局の関連病院であることが多いです。関連病院とは、医局から派遣された医師が所属している病院のことです。医局の派遣を受けている場合、医局以外の医師の勤務について、医局から圧力を受ける可能性があります。端的に言うと、関連病院には医局に所属した医師以外は勤められないということです。もし、医局外から医者を多く雇用すれば、医局からの派遣を切られてしまう可能性があります。そのため、自分で勤めたい勤務先があって応募をしても、受け入れられない可能性もあります。

視野が狭まりやすい

医局に所属した場合の働き方の特徴として、病院間をローテーションする勤務システムがあります。良い面としては、色々な医療レベルや地域差、病院ごとの工夫の違いを実際に学べます。指導を仰ぐ医師も必然的に多くなるため、自分のモデルケースとなる医師にも出会いやすくなります。

一方で、初期研修から同じ病院で勤務をずっと続けていくと、視野が狭くなりやすいです。一つの病院でできる治療はごく限られたものです。医局に所属せずに一つの病院勤務を続けていくならば、途中で研修期間をはさむ等、他の施設の治療方法も学ぶことが勧められます。

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