スタッフ定着率アップの為のマネジメントとは
クリニックの離職率の低下と、スタッフが長続きするための工夫について、株式会社経営人事教育システム代表取締役の下山学氏を招いた内容パート1に続いて、パーツ2のご紹介をしていきます。今回は、組織のマネジメントについてと、エンゲージメントを高めるポイントについてご紹介していきます。
従来のマネジメントからピープルマネジメントへ
かつてのマネジメントとは、「ヒト・モノ・カネ」といった経営資源を適切に管理することで、組織の成果の最大化を目指す、「パフォーマンス偏重視型」を指します。マネージャーの役割は管理、監督、評価、賞罰が中心。良いマネージャーの人物像は、仕事を管理・実行させる怖いボスをイメージさせるようなマネジメント方式です。
一方で、ピープルマネジメントとは、1人ひとりに向き合い、その成功にコミットすることで、組織の成果の最大化を目指します。エンゲージメントやモチベーションを重視してく方式。マネージャーの役割は1人ひとりの可能性を引き出すこと。
良いマネージャーの人物像は人の成功にコミットする優れたコーチをイメージさせるようなマネジメント方式です。ピープルマネジメントにおける重要な3つのイベントなどを動画で解説しておりますので、ぜひご覧ください。
ピープルマネジメントで求められるスキルとは
では、ピープルマネジメントにおける、マネージャーへの求められるスキルとはいったいどのようなものなのでしょうか。以下3つのポイントについて下山氏は触れています。
1.コーチング
マネージャーのアクションとして、コーチングのアクションとは、「引き出す」ことです。マネジメントのされる側は「気づきを得て次アクションを決める」というところがゴールとなります。そのため、マネージャーはコーチングの際に求めるスキルとしては、「質問力」が重要となってきます。
2.ティーチング
次に、ティーチングの際にマネージャーが行うアクションは、「教える」ことです。マネジメントのされる側は「知識を得て業務に活かす」というところがゴールとなります。そのため、マネージャーはティーチングの際に求めるスキルとしては、「指導力」が重要となってきます。
3.フィードバック
最後に、フィードバックの際にマネージャーが行うアクション、「伝える」ことです。マネジメントのされる側は「自分の現状を知り改善する」というポイントがゴールとなります。そのため、マネージャーはフィードバックの際に求められるスキルとしては、「伝達力」です。
その他にも基本的にマネージャーが求められるスキルは「傾聴力」、「観察力」、「承認力」という能力も基本的に必要となってきます。
クリニックの愛着心・思い入れを表す「エンゲージメント」とは
エンゲージメントとは、職員のクリニックに対する「愛着心」や「思い入れ」を表すことを指します。より踏み込んだ考え方として、「個人と組織が一体となり、双方の成長に貢献しあう関係」という点を下山氏は触れています。
そこで、以下スタッフの定着率をあげるためのエンゲージメント要素を把握することが、スタッフ定着率アップに繋がっていきます。
定着に必要な、エンゲージメント、10の要素
1.やりがい・職責 | 仕事に対しての責任感を持ち、やりがいを感じられているか |
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2.成果・成長 | 成果を掴み、自分自身が成長を感じられるか |
3.支援 | 仕事内容や成長への支援を医院や上司、仲間から受けているか |
4.人間関係 | 上司、部下、仲間、患者さんと良好な人間関係が築けているか |
5.承認 | 成果を出した際の承認する文化が医院にあるか |
6.理念 | 理念やビジョンに共感しているか |
7.医院文化・ルール | 医院の風土、ルールを皆が共通認識として持っているか |
8.待遇 | 給与、福利厚生、労働時間、院内環境に納得しているか |
9.評価 | 医院から、院長や上司の評価が公平であり、納得感があるか |
10.健康 | 健康状況は良好か |
上記のエンゲージメントの要素を使ってスタッフの定着の改善ができるかと考えられています。下山氏の顧問先も上記要素を使われて、スタッフの定着率アップに図っているクリニックもございます。
その他にもエンゲージメントを高める3つのポイントについて動画でも触れられていますので、ぜひご参考ください。
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